風俗営業の「管理者」とは?選任義務・講習・なれない人を解説

風俗営業許可(スナック・キャバクラ・接待をともなうコンカフェ等)のお店には、営業所ごとに「管理者」を1人選任する義務があります。「ママが管理者ってこと?」「オーナーは別の仕事をしていてもいい?」——この記事では、風営法の管理者とは何か、誰がなれるのか、選任後に何をするのかを整理します。

目次

管理者とは:営業所の「法令順守の責任者」

管理者は、風営法に基づき営業所ごとに1人選任が義務付けられている、お店の法令順守の責任者です。仕事のイメージは「現場のコンプライアンス担当」で、主に次のような業務を担います。

  • 従業者への法令順守の指導(接待のルール、年少者関係の禁止事項など)
  • お客様の年齢確認体制の管理(18歳未満の立入禁止など)
  • 従業者名簿など、備え付けが義務付けられた書類の管理
  • 営業所の構造・設備の維持管理

地味に見えるかもしれませんが、この業務は処分リスクと直結しています。警察庁の統計(令和7年中)によれば、風俗営業等への行政処分の理由で最も多いのは無許可営業などではなく「従業者名簿の備付義務違反」(890件)でした。開業後の処分リスクの本丸は、日々の名簿整備・書類管理——つまり管理者の仕事そのものなのです。

誰が管理者になれる?経営者本人でもOK

管理者は、その営業所で実際に業務に従事する人から選びます。経営者本人が管理者を兼ねることも可能で、ママが経営するスナックなら「経営者=管理者」が一般的な形です。一方、次のような人は管理者になれません(欠格事由)。

  • 18歳未満の人
  • 破産して復権を得ていない人、一定の刑罰・処分歴から所定の期間が経っていない人など、風俗営業の許可と同様の欠格事由に当たる人

また、管理者は営業所に常態として勤務していることが前提のため、複数の営業所の管理者を掛け持ちすることは原則できません。2店舗目を出すときは、2人目の管理者が必要になると考えてください。

「名義だけの管理者」は通用しません

実務では、実際にはお店に出ない人を名前だけ管理者として届け出る形が、不許可や指導につながる典型パターンです。管理者はお店の実態を管理できる立場の人であることが前提で、申請時にも「この人が本当に管理できるのか」という視点で見られます。オーナーが多店舗経営や別事業で店に立てないなら、現場を任せる店長を管理者に選任するのが自然な形です。

選任後の義務:管理者講習

管理者には、公安委員会が実施する管理者講習の受講義務があります(選任後も定期的に受講案内が来ます)。講習の通知が来たら必ず受講してください。正当な理由なく受講しないことは、それ自体が指示処分等の対象になり得ます。日程・会場は岐阜県公安委員会(警察)からの通知で案内されます。

よくあるご質問

Q. 深夜営業のバー(深夜酒類提供の届出)にも管理者は必要ですか?

A. 深夜酒類提供飲食店営業の届出だけで営業するお店には、管理者の選任義務はありません。ただし従業者名簿の備え付けなど、届出営業にも守るべき義務はあります。なお、同じ深夜帯の営業でも特定遊興飲食店営業(深夜に客へ遊興させて酒類を提供する営業)には、風俗営業と同じく管理者の選任義務があります。「深夜の営業だから届出だけ」と考えていると抜けやすいところです。届出の詳細は「岐阜の深夜酒類提供飲食店営業届出」をご覧ください。

Q. 管理者が退職したらどうすればいいですか?

A. 新しい管理者を選任し、変更の届出が必要です。管理者不在のまま営業を続けるのは義務違反の状態になるため、退職が見えた時点で後任の選任を進めてください。

Q. 許可申請のとき、管理者について何を出しますか?

A. 申請書に管理者を記載し、住民票や欠格事由に該当しない旨の誓約書類、顔写真などを提出します(業態・申請内容により異なります)。申請全体の流れは「岐阜の風俗営業許可|申請の流れと期間」で解説しています。

まとめ:管理者選びは「開業後の守り」の要

風俗営業の管理者は、①営業所ごとに1人・掛け持ち原則不可、②経営者本人でも店長でもよいが「実際に店を管理できる人」であること、③選任後は名簿管理と講習受講が実務の中心、という制度です。統計が示す通り、開業後の処分リスクの本丸は日々の書類管理にあります。開業準備の段階から「誰を管理者にするか」を決めておきたい方は、初回相談は無料ですのでお問い合わせください。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案への適用を保証するものではありません。制度の内容は改正される場合があります。手続きの詳細は必ず管轄の警察署でご確認ください。

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