コンカフェ開業に風営法許可は必要?岐阜の行政書士が解説

「コンカフェ」という店名だけで、必要な許可が決まるわけではありません。結論から言うと、コンセプトカフェ(コンカフェ)は、実際に提供するサービス、照度、客席の構造、営業時間、酒類提供や遊興の内容によって、風営法上の許可・届出が必要になる場合があります。この記事では、岐阜で開業する場合に確認したい営業区分、窓口、物件選びの注意点を整理します。

目次

「カフェ」という名前は関係ない——判断されるのは営業の実態

風営法上の区分は、お店の名前ではなく、実際の営業内容で判断されます。メイドカフェ、コスプレバー、推し活カフェなどの呼び方にかかわらず、次の点を一つずつ確認する必要があります。

  1. 特定少数の客に継続して談笑・ゲーム・歌唱等の相手をするか:接待に当たれば1号営業の許可を検討
  2. 照度が低くないか、見通しが困難な小区画席がないか:2号・3号営業に当たる可能性を確認
  3. 深夜に酒類を提供するか、客に遊興をさせるか:深夜酒類提供飲食店営業の届出や特定遊興飲食店営業の許可を確認

2025年の風営適正化法改正では、無許可営業の罰則が引き上げられました。無許可で1号営業を行った場合、個人は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金の対象になり得ます。営業内容が接待に当たるか不明な場合は、開業前に所轄警察署へ確認してください。

コンカフェの定番サービスは「接待」に当たりやすい

コンカフェで行われるサービスには、風営法の「接待」(歓楽的な雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす行為)に該当し得るものがあります。警察庁の解釈運用基準は、特定少数の客の近くで継続して談笑の相手となる行為や、特定少数の客とゲーム等を行う行為などを、接待の具体例として示しています。

サービス例接待該当の考え方
キャストとのチェキ撮影(密着ポーズ等)該当しうる
キャストがゲーム・トークの相手を務める該当しうる
特定のお客様の隣・正面に長くとどまり談笑該当しうる
「お帰りなさいませ」等の挨拶・注文対応通常は該当しない
ステージでの歌・ダンスを客席全体に見せる通常は該当しない(不特定多数向けのため)

ポイントは「特定のお客様を、継続的に、歓楽的にもてなしているか」です。客席全体に向けたパフォーマンスは接待に当たらない一方、特定のお客様との1対1のやり取りが売りになっている営業は、接待と判断される可能性が高くなります。コンカフェの「推し」文化はまさに特定のキャストとお客様の関係が中心になるため、構造的に接待に近づきやすいのです。

2025年改正では、接待飲食営業を対象に、料金について事実と異なる説明をする行為、客の好意の感情につけ込んで困惑させ飲食等をさせる行為、注文前に飲食物等を提供して困惑させる行為などが新たに規制されました。1号営業に該当する場合は、業態名にかかわらず、これらの遵守事項も確認する必要があります。

接待に当たる可能性があるサービスは、開業後に修正する前提にせず、メニューや接客方法を決める段階で確認してください。

警察庁の令和7年統計では、風営適正化法の無許可営業による検挙人員は335人で、令和3年の161人から増加しています。ただし、これは風俗営業等全体の統計であり、コンカフェだけの数字ではありません。

営業スタイル別・必要な手続きの整理

  • 接待を行う:1号営業の許可を検討
  • 低照度で営業する:2号営業の許可を検討
  • 見通しが困難な5平方メートル以下の区画席を設ける:3号営業の許可を検討
  • 接待をせず、深夜に酒類を提供する:通常主食を提供する営業か等も含め、深夜酒類提供飲食店営業の届出要否を確認
  • 深夜に酒類を提供し、客に遊興をさせる:特定遊興飲食店営業に当たる可能性を確認

上記は基本的な整理です。複数の特徴が重なる場合や、サービス内容が途中で変わる場合は、個別に判断が必要です。

「昼はカフェ営業、夜は接待あり」のようなハイブリッド型を考えている場合は、営業時間と許可の組み合わせ設計が複雑になるため、開業前の設計段階でご相談いただくのが安全です。バーやスナック形態との違いはガールズバー開業の記事でも解説しています。

岐阜でコンカフェを開業する場合の窓口と流れ

  1. 営業スタイルを決める:接待、照度、客席区画、営業時間、酒類提供、遊興の有無を整理します
  2. 物件の地域制限を確認する:深夜営業には用途地域による制限があります。風俗営業では、岐阜県条例上、学校(大学を除く)、病院・入院設備のある診療所、図書館、保育所、幼保連携型認定こども園の敷地から、原則100m(施設が商業地域内なら50m)の制限もあります。条例には地域・営業形態による例外があるため、住所を基に確認してください
  3. 物件の使用権原を確認する:賃貸借契約の用途制限と、申請時に必要な使用権原を示す資料を確認します。所有者の承諾書等が必要かは、契約内容と所轄警察署の案内により確認してください
  4. 飲食店営業許可を確認する:岐阜市内は岐阜市保健所、岐阜市外は各圏域の県保健所が窓口です
  5. 所轄警察署へ申請・届出する:深夜酒類提供飲食店営業の届出は営業開始10日前までです。風俗営業許可の標準処理期間は申請の種類等で異なるため、開業日を決める前に所轄警察署へ確認してください

届出・申請には、営業所の平面図などが必要です。客席、カウンター、設備、寸法等を正確に示し、1号営業では客室内部の見通しなど構造・設備基準も確認します。内装工事の前に、計画図面を基準と照合し、判断が難しい点は所轄警察署へ確認してください。

図面は、使用するソフトの種類ではなく、必要事項と寸法が正確に示されていることが重要です。専用の作図アプリが必須という公式な案内は確認できません。必要な図面の種類、縮尺、記載事項、測定方法は、申請先の最新案内で確認してください。

営業区分や構造基準に合わない物件を契約すると、内装変更や開業日の見直しが必要になることがあります。営業スタイル、用途地域、保全対象施設、構造・設備、賃貸借契約上の用途を、契約・工事の前に確認してください。

よくあるご質問

お酒を出さないコンカフェなら、深夜営業しても大丈夫ですか?

酒類を提供しないのであれば深夜酒類提供飲食店営業届出は不要です。ただし接待に当たるサービスをしていれば、営業時間に関係なく風俗営業許可が必要になります。「ノンアルだから安心」とは限らない点にご注意ください。

他の店も同じようなサービスをしていますが、うちだけ許可が要るのですか?

「周りがやっているから適法」とは言えません。摘発は営業実態を確認したうえで行われるため、同じようなサービスの店が営業を続けていても、それが適法である保証にはなりません。ご自身のお店の営業をどう設計するかが全てです。

ステージ上の歌やダンスなら接待には当たりませんか?

不特定多数の客に向けたショー等は、通常、特定少数の客への接待とは区別されます。ただし、特定の客のために継続して歌やダンスを見せる、客と一緒に歌う・ゲームをするなど、実際の提供方法によって判断が変わります。サービス全体を整理して所轄警察署へ確認してください。

すでに営業中ですが、接待に当たるかもしれないと不安になりました。

営業中の店舗でも、営業内容の整理と必要な許可への切り替えのご相談は可能です。放置するほどリスクは大きくなるので、早めにご相談ください。

まとめ:コンカフェ開業は「接待の設計」から始める

  • 店名ではなく、接待、照度、客席構造、営業時間、酒類提供、遊興の実態で区分される
  • 特定少数の客との継続的な談笑・ゲーム・歌唱等は、接待に当たる可能性がある
  • 2025年改正で、無許可営業の罰則が引き上げられ、接待飲食営業の遵守事項も追加された
  • 1号営業だけでなく、2号・3号営業、深夜酒類提供飲食店営業、特定遊興飲食店営業も確認する
  • 物件契約・内装工事の前に、地域制限、構造基準、使用権原を確認する

アストラ行政書士事務所では、岐阜・愛知エリアのコンカフェ・バー・スナックの開業について、営業区分の整理、図面作成、届出・申請をサポートしています。初回相談は無料です。「このサービスは接待に当たるか」という段階でも、お問い合わせフォームからご相談ください。

※ 本記事は2026年8月3日時点の公表情報に基づく一般的な案内です。必要な許可・届出は営業実態、地域、構造等により異なるため、開業前に所轄警察署と関係窓口へご確認ください。

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