岐阜でガールズバーを開業する際、必要な手続きは店名ではなく、深夜の酒類提供・接待・遊興の有無、営業所内の照度・客席の区画という実際の営業方法と設備で決まります。
2025年の風営法改正では、無許可の風俗営業に対する罰則が強化され、接待飲食営業には新たな遵守事項・禁止行為が設けられました。
この記事では、ガールズバー開業に必要な許可・届出の分け方と、岐阜県で確認したい窓口・立地・書類の注意点を整理します。
必要な手続きは「接待・深夜の酒類提供・遊興・営業所内の照度と客席の区画」で分かれる
ガールズバーという名称だけで許可の種類は決まりません。実際の営業方法を、次のように整理します。
| 営業方法 | 主な手続き | 注意点 |
|---|---|---|
| 午前0時まで・接待なし(2号・3号営業に該当する場合を除く) | 飲食店営業許可 | 営業時間や営業方法が変わる場合は再確認 |
| 午前0時以降に酒類を提供・接待なし・営業者側が客に遊興をさせない | 飲食店営業許可+深夜酒類提供飲食店営業の届出 | 営業の常態として通常主食と認められる食事を提供する営業を除き、営業開始の10日前までに届出 |
| 午前0時以降・接待なし・営業者側が客に遊興をさせながら酒類を提供 | 飲食店営業許可+特定遊興飲食店営業の許可 | 許可地域や構造・設備などの要件あり |
| 接待あり | 飲食店営業許可+風俗営業許可(1号) | 営業時間は原則午前0時まで。法令・条例で定める日・地域では午前1時までとなる場合あり |
なお、接待がなく午前0時までの営業でも、営業所内の照度を10ルクス以下として営む場合は2号営業、他から見通すことが困難で、広さが5平方メートル以下の客席を設ける場合は3号営業の許可が問題になります。
深夜酒類提供飲食店営業の届出だけで営業できると決めつけず、照明計画と客席の区画も確認してください。
深夜酒類提供飲食店営業の届出だけでは接待はできません。また、深夜に酒類を提供し、営業者側がショー、生演奏、ダンス等を積極的に行わせる営業は、特定遊興飲食店営業に当たる可能性があります。
一方、客が自発的に歌う・踊るだけで直ちに「遊興をさせる」に当たるわけではありません。設備だけでなく、営業者側の働き掛けと営業実態を具体的に整理して判断します。
すべての分かれ目になる「接待」とは
風営法の「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことです。警察庁の解釈運用基準では、営業者側が相手を特定し、通常の飲食サービスを超える会話やサービスを積極的に行うことと整理されています。
特定少数の客の近くに継続していて談笑の相手となったり、酒類等を提供したりする行為は接待に当たり得ます。反対に、注文に応じて酒を提供し、社交儀礼上の挨拶や短い世間話をする程度で速やかに離れる行為は、通常は接待に当たらないとされています。
| 接待に当たりうる例: | 特定のお客様の隣に座って継続的に談笑する/お酌をしながら一緒に飲む/デュエットする/ゲームやショーの相手を務める |
| 通常は接待に当たらないとされる例: | カウンター越しに注文を受けたり短い会話を交わす/お酒を作って提供する/来店時・退店時の挨拶 |
カウンター越しでも、特定の客の前に継続してとどまり、通常の飲食サービスを超えて談笑やお酌などを行えば、接待と判断される可能性があります。
無許可で風俗営業を営んだ場合、現在は個人について5年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金(併科あり)、法人について3億円以下の罰金の対象となり得ます。カウンターの有無ではなく、営業実態から判断してください。
2025年改正では、接待飲食営業について、料金の虚偽説明、客が注文していない飲食物等の提供による困惑、恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求といった悪質な営業行為に関する規制が新設されました。
警察庁は接待飲食営業の広告・宣伝についても運用方針を公表しています。これらは接待飲食営業に関する規制であり、深夜酒類提供飲食店営業の届出だけで営む店すべてに同じ形で適用されるものではありません。
深夜酒類提供飲食店営業の届出は、接待を認める許可ではありません。届出内容にかかわらず、実際の営業で接待を行えば無許可の風俗営業となる可能性があります。
接待を伴う営業へ変更する場合は、接待を始める前に1号営業の許可を受ける必要があります。内装工事や物件契約の前に、予定する接客方法を具体的に整理してください。
接待・遊興の判断に迷う場合は、内装工事や物件契約の前に、営業方法を整理したうえで所轄警察署へ確認するのが安全です。
深夜酒類提供飲食店営業届出の流れ(岐阜県の場合)
接待を行わず、深夜に酒類を提供して営業する場合(営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営む場合を除く)の手続きです。岐阜県では、営業開始の10日前までに、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課へ届け出ます。
- 候補物件の用途地域、周辺施設、賃貸借契約上の使用目的を確認する
- 接待・深夜の酒類提供・遊興の有無と、営業所内の照度・客席の区画から、必要な警察手続きを確認する
- 保健所へ飲食店営業許可を申請する(岐阜市内は岐阜市保健所、市外は県の保健所)
- 届出書、営業の方法を記載した書類、営業所の平面図、住民票等を準備する
- 深夜酒類提供飲食店営業は、営業開始の10日前までに管轄警察署の生活安全課へ届け出る
岐阜県警の公開ページでは、使用承諾書は深夜酒類提供飲食店営業の一律の添付書類として掲げられていません。ただし、賃貸・共有物件では契約上その営業に使用できるかの確認が必要です。
使用権限を示す資料の要否は、手続きの種類、契約関係、所轄警察署の取扱いによって変わるため、事前に確認してください。飲食店営業許可と警察手続きの進める順序も、開業日から逆算して保健所と警察署へ確認してください。
岐阜県警が公表する深夜酒類提供飲食店営業の添付書類には、営業所の平面図が含まれます。
1号営業では、客室が営業所の外部から容易に見通せないことと、客室内に見通しを妨げる設備を設けないことは別々の構造基準であり、どちらか一方を選ぶ基準ではありません。
警察庁の解釈運用基準では、仕切り、ついたて、カーテン、高さがおおむね1メートル以上の椅子等が、見通しを妨げる設備の例として示されています。
岐阜県警の公開資料には、平面図を専用アプリで作成することや、特定の測量機器を購入することは一律の要件として記載されていません。作図方法を断定せず、必要な図面の縮尺、寸法、設備表示、追加資料を所轄警察署へ確認してください。
賃貸・共有物件では、予定する営業が契約上認められるかを契約前に確認します。また、深夜酒類提供飲食店営業の届出後に接待を始めることはできません。接客方法を変更する場合は、変更後の営業を始める前に必要な許可を確認してください。
岐阜で開業する場合の窓口と注意点
- 届出・許可申請の窓口:営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課
- 飲食店営業許可の窓口:岐阜市内は岐阜市保健所、岐阜市外は各圏域の県保健所
- 営業できない地域がある:深夜酒類提供飲食店営業は、岐阜県条例上、第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域では原則として禁止されています。ただし、第一種・第二種住居地域と準住居地域には、公安委員会が指定する地域の除外があるため、用途地域名だけで決めず所轄警察署へ確認してください。1号営業では、岐阜県条例による用途地域や保全対象施設からの距離制限も確認します
- 1号営業の手数料・処理期間:岐阜県警の公式ページでは、申請の種類等によって異なるため所轄警察署へ問い合わせるよう案内しています。一律の期間と考えず、開業予定日を伝えて事前に確認してください
接待の有無によって、必要な許可、営業時間、内装の構造基準は変わります。1号営業の申請準備は、公開済みの岐阜県で風俗営業許可を申請する流れもあわせてご確認ください。
よくあるご質問
カウンター越しの営業なら、絶対に接待になりませんか?
いいえ。警察庁の解釈運用基準は、カウンターの有無ではなく、特定の客に対して通常の飲食サービスを超える会話やサービスを継続して行っているかを判断基準にしています。
カウンター内で注文に応じて酒類を提供し、短い世間話をする程度は通常接待に当たりませんが、同じ客の前に継続してとどまり、談笑やお酌を行えば接待に当たる可能性があります。
物件契約前に何を確認すべきですか?
用途地域、保全対象施設との距離、賃貸借契約上の使用目的、予定する営業時間と営業方法を確認してください。物件を契約した後に必要な許可を取れない事態を避けるため、候補物件の段階で所轄警察署、保健所、所有者・管理会社へ確認することが重要です。
接待飲食営業の広告・宣伝に注意点はありますか?
あります。SNSを含む広告・宣伝が一律に禁止されるわけではありませんが、1号営業などの接待飲食営業には、風営法上の広告・宣伝規制と、2025年改正で新設された遵守事項・禁止行為を踏まえた警察庁の運用方針があります。
広告内容と実際の料金・営業方法を一致させ、公開前に公式の運用方針を確認してください。
届出や許可を取らずに営業したらどうなりますか?
必要な届出をせずに深夜酒類提供飲食店営業を行った場合や、1号営業の許可を受けずに接待をした場合は、罰則や行政上の命令等の対象となる可能性があります。
適用される規定は営業実態によって異なるため、営業開始前に必要な手続きを所轄警察署へ確認してください。
まとめ:営業スタイルを決めることが開業準備の第一歩
- 必要な手続きは、接待・深夜の酒類提供・遊興の有無に加え、営業所内の照度・客席の区画という実際の営業方法と設備で決まる
- 接待なしで深夜に酒類を提供する場合は、営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営む場合を除き、営業開始の10日前までに深夜酒類提供飲食店営業を届け出る
- 接待をする場合は1号営業の許可が必要で、営業時間は原則午前0時まで。法令・条例で定める日・地域では午前1時までとなる場合がある
- 深夜に酒類を提供し、営業者側が客に遊興をさせる場合は、特定遊興飲食店営業の許可も検討する
- 2025年改正で無許可風俗営業の罰則が強化され、接待飲食営業に新たな遵守事項・禁止行為が設けられた
- 物件契約前に用途地域、周辺施設、契約上の使用目的を確認する
アストラ行政書士事務所では、岐阜・愛知エリアのガールズバー、バー、スナックの開業手続きを、営業方法の整理から図面作成、届出・申請までサポートしています。ご相談は、記事下の「お問い合わせはこちら」からお送りください。
公式情報
- 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」(令和8年7月1日)
- 警察庁「風営適正化法の改正について」
- 警察庁「接待飲食営業における広告及び宣伝の取扱いについて」
- 岐阜県警察「風俗環境の浄化」
- 岐阜県警察「深夜酒類提供飲食店営業の営業開始の届出」
- 岐阜県警察「風俗営業の許可の申請」
- 岐阜県警察「特定遊興飲食店営業の許可」
- 岐阜県「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。必要な許可・届出は営業方法、場所、設備等によって異なります。契約や工事の前に所轄警察署・保健所へご確認ください。制度は改正される場合があります。(最終確認日:2026年8月3日)
あわせて読みたい
FREE CONSULTATION
まずは状況をお聞かせください
手続きが必要か分からない段階でも大丈夫です。状況を整理するところからご相談いただけます。
- 初回相談無料
- 相談のみOK
- 2営業日以内に返信
入力内容はSSL通信で暗号化されます
